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調査事業成果「空飛ぶクルマに関する技術戦略文書」を公開― 本文書の内容は官民ロードマップ・ConOpsへ反映 ―
株式会社三菱総合研究所
調査事業成果「空飛ぶクルマに関する技術戦略文書」を公開
― 本文書の内容は官民ロードマップ・ConOpsへ反映 ―
株式会社三菱総合研究所では、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト(ReAMoプロジェクト)」において、「全体アーキテクチャ・要素技術調査」に係る委託調査(以下、本調査)を実施しています。
本調査における成果として、「空飛ぶクルマに関する技術戦略文書(以下、技術戦略文書)」を取りまとめ、このたび公開しました。本文書は、空飛ぶクルマ(AAM)について、将来の社会実装を見据え、我が国として強みとなり得る要素技術分野および重点的に注力すべき分野を整理し、今後の技術開発の方向性を体系的に示したものです。
なお、本技術戦略文書は、「空の移動革命に向けた官民協議会」により策定されている「空の移動革命に向けたロードマップ(以下、官民ロードマップ)」および「空飛ぶクルマ(AAM)の運用概念(以下、ConOps)」の改訂において、技術的な検討の基盤として活用され、その内容が反映されています。これにより、将来の社会実装目標に対する技術的な具体像を示すとともに、産業界における研究開発や投資判断に資する将来の予見性向上に貢献するものです。
また、NEDOにおいては、本技術戦略文書で特定された注力技術を踏まえた研究開発の支援を検討しています。
1.要素技術ロードマップおよび技術戦略文書の概要
ReAMoプロジェクト 調査項目②「全体アーキテクチャ・要素技術調査」では、三菱総合研究所が中心となり、産業界・学識経験者等で構成される要素技術WGを設置し、有識者の意見を得ながら、空飛ぶクルマ(AAM)の社会実装に向けた要素技術の体系整理を行っています。具体的には、機体、推進・エネルギー、航法・制御、運航・安全等の各要素技術について、要求性能や実現方式等を成熟度レベル(※1)ごとに整理した「要素技術ロードマップ」を作成しています。
そして、本ロードマップで整理した内容および要素技術WGでの議論を基に、日本の産業競争力強化と経済安全保障の観点から、空飛ぶクルマ分野における「日本の強み」および「強化すべき技術」を特定し、その結果を「技術戦略文書(成熟度レベル4)」として取りまとめました。
<技術戦略文書のダウンロード>
空飛ぶクルマに関する技術戦略文書 -成熟度レベル4に向けた技術戦略-
2.官民ロードマップ・ConOpsへの具体的な反映内容
今般、技術戦略文書で示した技術的整理や技術開発の方向性は、「空の移動革命に向けた官民協議会」における議論に活用され、同協議会が策定している官民ロードマップおよびConOpsの改訂において、技術的検討の基盤として活用され、その内容が反映されています。
① 社会実装フェーズと技術成熟度の時間軸整理
ConOpsの改訂において、社会実装の各フェーズ(導入段階)に対し、NEDOが策定した技術の成熟度レベルの考え方が技術的指標として統合されました。
これにより、国が想定する運用ルールの導入時期と、「各段階において機体やシステムにどのレベルの技術完成度が求められるか」という運用と技術の明確な対応関係が定義され、計画の具体性と実現性の向上に寄与しています。
② 2030年代後半に向けた「自動・自律運航」目標の具体化
空飛ぶクルマ(AAM)の社会実装に向けた中長期的なビジョンであり、官民ロードマップ改訂の土台となる「大阪・関西万博後の社会実装の実現イメージ」において、2030年代後半(成熟期)は「より多くの人の日常的な移動手段として定着」を目指す時期と整理されていました。
今回、ReAMoプロジェクト調査事業成果として「その段階に到達するためには成熟度レベル4(自動・自律運航)の技術開発が不可欠であり、具体的にどのような技術が必要になるか」を整理し、技術的なエビデンスとして提供しました。
これにより、同実現イメージを踏まえて改訂される官民ロードマップおよびConOpsにおいて、『自動・自律運航の一部実現』という具体的な技術マイルストーンが2030年代後半に新たに明記され、産業界の予見性向上に貢献しています。
③ 「日本の強み」と「強化すべき技術」の官民ロードマップへの明記
技術戦略文書で特定した以下の注力技術が、官民ロードマップの「技術開発」項目に具体的な開発アクションとして明記されました。これにより、日本として取り組むべき研究開発の道筋が明確化されました。
● 日本の強みとして特定した分野
| 対象となる技術分野 | 官民ロードマップ「技術開発」での位置づけ |
| 動力 | 【推進システム】 ・電動モーターの性能向上(出力密度、耐久性、冷却性能等) ・ガスタービンハイブリッド推進システムの開発 |
| 自動運転の支援機能(DMS) | 【自動・自律運航】 ・操縦機能の自動化技術の開発 |
● 国として強化すべき技術として特定した分野
| 対象となる技術分野 | 官民ロードマップ「技術開発」での位置づけ |
| バッテリ | 【推進システム】 ・リチウムイオン電池の性能向上(容量エネルギー密度、サイクル寿命等) ・次世代バッテリ(全固体電池等)のAAMへの適用 |
| 交通管理システム | 【運航管理】 ・初期AATMの技術開発 ・運航の高密度化に向けたAATMの技術開発 |
| 監視・衝突回避 / 制御・誘導 | 【自動・自律運航】 ・衝突防止システムの構成装備品(機上センサ・カメラ等)の開発 ・操縦機能の自動化技術の開発 ・離着陸場の自動運用技術の開発 |
<関連リンク>
第12回 空の移動革命に向けた官民協議会(METI/経済産業省)
航空:空の移動革命に向けた官民協議会(第12回) - 国土交通省
※1 成熟度レベル:多様な空飛ぶクルマ(AAM)の社会実装を実現するために必要な技術の成熟段階を整理した指標。詳細は、NEDO「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト(DRESSプロジェクト)/空飛ぶクルマの先導調査研究」の成果報告書(https://www.nedo.go.jp/content/100944265.pdf)をご参照ください。
<問い合わせ先について>
株式会社三菱総合研究所
mri_nedo_reamo@ml.mri.co.jp


